こんにちは、SOUSEIです!
関西地方では2025年7月上旬、梅雨前線の影響により記録的な大雨が降り続き、各地で甚大な被害が発生しています。
大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県の一部地域では、数十年に一度の豪雨とされる雨量を観測した。
特に大阪市や寝屋川市などの都市部では、河川の氾濫や道路の冠水が相次いで報告されました。
今回の豪雨により、住宅の浸水や土砂崩れ、鉄道・道路の寸断、停電などの生活インフラへの影響が広がっています。
2025年7月10日現在、関西地方全域で避難指示や警戒レベル4以上の避難情報が発令されており、自治体や気象庁からも厳重な警戒が呼びかけられています。
このような異常気象下では、被害の拡大を最小限に抑えるために、迅速な避難と的確な情報収集が不可欠です。
本記事では、関西で発生している大雨被害の最新状況を整理するとともに、万が一に備えるための「災害備えチェックリスト」を紹介していきます。
目次
1. 過去の大型災害情報まとめ
2. 背景:梅雨末期の気象メカニズム
2-1. 梅雨末期に起きやすい気象現象とは?2-2. 線状降水帯とは?
2-3. 今回の大雨の特徴
3. 避難と安全対策のポイント
3-1. 河川・用水路への接近禁止3-2. 低地・アンダーパスの危険性
3-3. 崖・斜面の土砂災害警戒
3-4. 避難情報の正しい理解
3-5. 避難時の持ち物チェック
4. 被災経験から学ぶ:西日本豪雨からの教訓
4-1. 2018年 西日本豪雨とは?4-2. 教訓1:情報だけでなく「予測行動」が命を守る
4-3. 教訓2:地域の防災ネットワークが命綱になる
4-4. 教訓3:二次災害や長期化にも備える
5. 災害備えチェックリスト(10項目)
6. まとめ:今後の対応と呼びかけ
7. FAQ:よくある質問とその回答
1. 過去の大型災害情報まとめ
日本は自然災害の多い国であり、過去にも数多くの大雨災害に見舞われてきました。
ここでは、近年発生した代表的な豪雨災害を振り返り、被害の特徴や教訓を確認しておきます。
2018年 西日本豪雨(平成30年7月豪雨)
発生期間:2018年6月28日〜7月8日
被害地域:岡山県、広島県、愛媛県を中心に、西日本の広範囲
被害概要:死者263名、住宅被害約4万棟、広域にわたる土砂災害・河川氾濫
被害地域:岡山県、広島県、愛媛県を中心に、西日本の広範囲
被害概要:死者263名、住宅被害約4万棟、広域にわたる土砂災害・河川氾濫
特徴:
線状降水帯の長時間発生により、総雨量が1000mmを超える地域も
山間部での土石流、都市部での浸水・孤立が多発
教訓:
避難情報の伝達と住民の判断に課題
地域防災体制の強化と個人の早期避難が求められた
2020年7月豪雨(令和2年7月豪雨)
発生期間:2020年7月3日〜31日
被害地域:熊本県、福岡県、長野県など広範囲
被害概要:死者82名、家屋被害1万7千棟以上、球磨川の氾濫が象徴的
被害地域:熊本県、福岡県、長野県など広範囲
被害概要:死者82名、家屋被害1万7千棟以上、球磨川の氾濫が象徴的
特徴:
九州南部で短期間に記録的な降水
高齢者施設の浸水被害が深刻化
教訓:
地域の地形特性(急峻な河川)を考慮した避難計画の必要性
高齢者や要支援者の避難支援体制の重要性
2021年8月 前線に伴う大雨
発生期間:2021年8月11日〜20日
被害地域:佐賀県、長崎県、広島県など
被害概要:死者6名、住宅被害数千棟規模
被害地域:佐賀県、長崎県、広島県など
被害概要:死者6名、住宅被害数千棟規模
特徴:
線状降水帯による局地的な集中豪雨
短時間での浸水、土砂災害が多発
教訓:
河川氾濫リスクの高い地域では、リアルタイムの水位情報活用が有効
日頃からのハザードマップ確認と避難行動の準備が不可欠
これらの過去の災害は、すべて「梅雨末期」や「前線の停滞」といった気象条件が共通しており、毎年のように繰り返されています。
そのため、過去の被害を自分の地域に置き換えて考えることが、防災意識を高めるうえで非常に有効です。
2. 背景:梅雨末期の気象メカニズム
2-1. 梅雨末期に起きやすい気象現象とは?
日本の梅雨は、5月下旬から7月中旬にかけて続く季節現象で、特にその終盤には「梅雨末期の大雨」と呼ばれる激しい降水が起こりやすくなります。
これは、梅雨前線(ばいうぜんせん)と呼ばれる停滞前線が日本列島に長くとどまり、その前線上に暖かく湿った空気と冷たい空気がぶつかることで、活発な雨雲が次々に発生するためです。
2-2. 線状降水帯とは?
今回の大雨でも特に注目されているのが「線状降水帯(せんじょうこうすいたい)」という現象です。
これは、同じ場所に次々と発達した雨雲が列をなしてかかり続け、長時間にわたり激しい雨を降らせる状態のことを指します。
これが発生すると、数時間で1か月分の雨が降ることもあり、河川の氾濫や土砂災害を引き起こす要因になります。
2-3. 今回の大雨の特徴
2025年7月上旬の関西地方の豪雨では、この線状降水帯が複数回にわたり発生し、特定のエリアに猛烈な雨を降らせました。
以下のような特徴が見られました:
降水量の極端さ:1時間に100mm以上、24時間で300〜400mm以上の雨を記録
繰り返し降るパターン:日をまたいで同じ地域に集中豪雨が続いた
局地的豪雨の拡大:都市部でも急激に浸水する「フラッシュフラッド」(突発的洪水)状態が確認された
今後も気象の急変には注意が必要です。
3. 避難と安全対策のポイント
災害時において最も重要なのは、自分や家族の「命を守る行動」です。
特に今回のような大雨災害では、洪水や土砂崩れの危険が急速に高まるため、事前の備えと正しい避難行動が生死を分けることになります。
以下に、避難と安全確保のための具体的なポイントを紹介します。
3-1. 河川・用水路への接近禁止
大雨時は、普段は穏やかな河川や用水路でも急激に水位が上昇し、あっという間に氾濫することがあります。
見た目には流れが穏やかでも、実際には強い流れがあり、流されるリスクがあります。
子どもや高齢者が不用意に近づかないよう徹底しましょう。
3-2. 低地・アンダーパスの危険性
都市部では特に、アンダーパス(地下通路や立体交差の下)や地下鉄の出入口、低地にある駐車場などで冠水による危険があります。
車で無理に通行しようとすると、車ごと水没し取り残される事故が多発しています。
「少しだから大丈夫」と思わず、通行は絶対に避けてください。
3-3. 崖・斜面の土砂災害警戒
山間部や斜面の近くに住んでいる場合、土砂災害警戒情報や地滑りの危険性を常に確認しましょう。
地面に亀裂が入ったり、木が傾く、小石が転がるといった現象が見られたらすぐに避難を開始してください。
暗くなってからの避難は危険が増すため、明るいうちの早めの行動が原則です。
3-4. 避難情報の正しい理解
避難情報には「警戒レベル1〜5」があります。
命を守るための避難が必要なのは「レベル4(避難指示)」です。
高齢者や障がいのある方は「レベル3(高齢者等避難)」の段階で避難を開始しましょう。
レベル5は「災害発生情報」であり、すでに危険な状態にあることを示しています。
3-5. 避難時の持ち物チェック
緊急避難時には、以下のものを持って避難しましょう:
・飲料水・非常食(最低1日分)
・貴重品(現金・保険証・身分証明書)
・モバイルバッテリー
・常備薬・お薬手帳
・タオル・マスク・ウェットティッシュ
・防寒・雨具(ポンチョなど)
・懐中電灯・ラジオ
・家族連絡先メモ
避難所が混雑している場合は、車中泊や親戚宅などの「分散避難」も検討しましょう。
4. 被災経験から学ぶ:西日本豪雨からの教訓
4-1. 2018年 西日本豪雨とは?
2018年7月、西日本を中心に記録的な大雨が襲い、特に岡山県・広島県・愛媛県で甚大な被害をもたらしました。
死者数は200名を超え、住宅被害は4万棟以上。多くの地域で土砂災害・河川氾濫・道路寸断・孤立状態が発生しました。
この「西日本豪雨」は、梅雨末期に停滞した梅雨前線に湿った空気が流れ込み続け、広範囲で線状降水帯が発生したことが原因でした。
まさに今回の関西豪雨と同様の気象条件であり、災害の規模・形態も非常に似ています。
4-2. 教訓1:情報だけでなく「予測行動」が命を守る
当時、多くの被災者が「避難情報を知っていたが、行動しなかった」と証言しています。
避難勧告や避難指示が出ていても、「まだ大丈夫」「過去に被害はなかったから」と考えてしまい、逃げ遅れたケースが目立ちました。
このことから、「自ら情報を見て判断し、早めに行動を起こす」ことの重要性が再認識されました。
特に高齢者や障がい者、子どもを持つ家庭は、余裕を持った避難準備が必要です。
4-3. 教訓2:地域の防災ネットワークが命綱になる
西日本豪雨では、自治会や自主防災組織、近所付き合いなどが非常に重要な役割を果たしました。
個人の判断だけでなく、地域ぐるみの防災意識があることで、より多くの命が守られました。
近隣住民との連絡方法や、共助のルールを日頃から確認しておくことで、災害時の混乱を最小限に抑えられます。
4-4. 教訓3:二次災害や長期化にも備える
西日本豪雨では、災害発生直後の対応だけでなく、「その後の生活再建」でも多くの困難がありました。
特に、以下のような点が課題となりました:
・電気・水道・ガスなどのインフラ復旧に時間がかかった
・被災者生活支援金や罹災証明の手続きが複雑
・仮設住宅や避難所での生活が長期化
今回の関西の大雨でも、同様の課題が想定されます。
災害直後の「急性期」だけでなく、その後の「回復期」までを見越した備えが重要です。
5. 災害備えチェックリスト(10項目)
大雨や地震といった自然災害は、いつどこで起きてもおかしくありません。
日常の中で備えを整えておくことで、被害を最小限に抑えることができます。
以下に、家庭で今すぐ確認しておきたい備えの10項目を紹介します。
1. 飲料水・非常食の備蓄(最低3日分)
・飲料水は1人1日3リットルが目安
・缶詰、レトルト、栄養補助食品など、火を使わずに食べられるもの
・消費期限を定期的にチェックし、ローリングストック方式で管理
2. 懐中電灯・ラジオ・乾電池
・停電時の灯りや情報収集手段として不可欠
・ソーラー充電式や手回し式のラジオ・ライトがあると安心
3. モバイルバッテリーの常備
・災害時にはスマートフォンが命綱になる
・大容量バッテリーやソーラーチャージャーがあると安心
4. ハザードマップの確認
・自治体が提供する「防災マップ」で、自宅や通学・通勤経路の危険箇所を把握
・避難所の場所・経路・所要時間も事前に確認
5. 家の排水溝・雨どいの清掃
・落ち葉やゴミが詰まると、集中豪雨時に逆流・浸水の原因に
・台風前や梅雨入り前に定期的な点検・清掃を
6. 土のう・止水板の用意
・玄関や車庫への浸水を防ぐため、簡易的な土のう(ウォータータンク型)を用意
・ホームセンターや防災グッズ店で購入可能
7. 家族の安否確認手段の確認
・災害用伝言ダイヤル(171)やLINE・SMSの使い方を家族で共有
・集合場所や連絡ルールを事前に取り決めておく
8. ペットや高齢者の避難準備
・ペットフード・ケージ・トイレ用品などを「同行避難」用に準備
・高齢者や要介護者の移動手段・避難所のバリアフリー状況を確認
9. 車での避難時の注意点
・満タン給油を日頃から意識
・浸水しやすい道路・アンダーパスは絶対に通行しない
・車中泊用の防寒具やトイレも常備
10. 火災保険・地震保険の確認
・保険の補償範囲(風水害含むか)を見直す
・罹災証明の取得方法・申請手順を理解しておく
6. まとめ:今後の対応と呼びかけ
関西地方を襲った今回の記録的な大雨は、都市部でも大きな被害をもたらし、改めて私たちが自然災害にどれほど脆弱であるかを浮き彫りにしました。
幸いなことに、被害が少なく済んだ地域でも、それは「たまたま運が良かった」だけかもしれません。
天気予報や災害情報を毎日チェックする習慣がある方でも、「避難のタイミング」や「正しい避難方法」まで把握している人は少ないのが現状です。
しかし、災害は予告なく私たちの生活を脅かします。被
害を最小限に抑えるためには、事前の備えと、迅速な行動判断が何よりも重要です。
防災は一人でできるものではありません。
家族や地域住民、職場の仲間とともに、防災の意識を共有し、いざという時にお互いが助け合える体制を築くことが大切です。
避難訓練への参加、避難所の確認、防災グッズの見直しなど、できることから始めましょう。
災害に関する知識や行動指針は、年々変化しています。
防災アプリの導入、自治体の防災メール登録、SNSでの正しい情報の取得など、最新の情報収集手段を活用しましょう。
最後に、命を守る行動とは「恐れて動く」ことではなく、「備えて、冷静に判断する」ことです。
この経験を無駄にせず、次に備えるための第一歩を、今日から踏み出してください。
7. FAQ:よくある質問とその回答
Q1. 避難指示が出たけど、自宅の方が安全に思える場合はどうすればいい?
A: 基本的には「避難指示(警戒レベル4)」が出たら速やかに避難所等へ移動するのが原則ですが、自宅が鉄筋コンクリート造で高台にあるなど、明らかに安全な場合は「在宅避難」も選択肢になります。
ただし、必ず複数の情報源(自治体、気象庁など)で状況を確認し、孤立やライフライン停止のリスクも考慮してください。
Q2. 家が浸水してしまった場合、まず何をすればいい?
A: まずは安全を最優先し、停電やガス漏れがないか確認してください。
次に、写真で被害状況を記録しましょう(保険請求や罹災証明のため)。
片付けは、清掃前に必ず「罹災証明書」の発行手続き用に、濡れた家具・家電の写真を残しておくことが大切です。
Q3. 被災時の保険金や支援制度には何があるの?
A: 火災保険や地震保険に「風水害特約」が付いていれば、浸水被害も補償対象となる可能性があります。
また、自治体では「罹災証明書」を元に支援金や税の減免、生活再建支援制度が受けられる場合があります。早めに市町村の窓口に相談してください。
Q4. 停電時に気をつけることは?
A: 冷蔵庫内の食品管理(4時間以内で使い切る)、ろうそくによる火災リスク回避(代わりに懐中電灯を使用)、非常用電源の節約利用が重要です。
スマホの電池を守るため、機内モードや節電モードを活用しましょう。
Q5. ペットを連れて避難しても大丈夫?
A: 原則、同行避難が推奨されています。
ただし、避難所によっては「ペットと一緒に過ごすスペース」が限られている場合もあるため、ケージ・餌・トイレ用品・リードなどを準備しておきましょう。
また、事前に自治体の避難所情報を確認しておくと安心です。