BLOG

耐震等級3だけでは不十分!?能登半島地震から検証する、構造計算と構造計画の違い

2024年1月19日

こんにちは、SOUSEIです!
今回は、「地震に強い家を建てたい」という方や、「耐震について詳しく知りたい」という方に向けて以下の内容ををご紹介します!

・構造設計と構造計画の違いや構造設計の手順
・耐震構造のデメリットメリット


耐震構造のデメリットやメリットでは、等級による違いを合わせて解説します。
地震に強い家を建てたい方は、ぜひ最後までご覧ください。









1. 構造設計と構造計画の違いとは?



はじめに、構造設計と構造計画の違いについて解説します。




1-1. 構造設計とは




構造設計は、建築設計で行う作業の一つで、建物の土台と骨組みを設計することです。
建築基準法を考慮して安全性能・機能性を最大限発揮できるよう設計します。
具体的には、建物の基礎や柱、梁・床・屋根などの耐力から形状や配置を決めます。

また、建築設計には構造設計の他に「意匠設計」や「設備設計」があり、構造設計とあわせて細かい調整が必要です。




1-2. 構造計画とは


構造計画とは、地盤や地域性を考慮して建物の用途に合う構造や材料・配置を計画することです。
施工性や経済性、意匠設計・設備設計との統一性などに配慮する必要があり、建築物の構造全般についての計画を作成します。

そのため、建物に使用されている柱や梁、壁などの量・配置・強度を考慮して、安全性や使用性を判断します。

構造計画は、耐震性能を大きく左右する重要な要素です。
そこで、構造計画を重視した新ブランド、PlusMeが誕生しました。









2. 構造設計の手順は?



次に、構造設計の手順について解説します。




2-1. 構造計画を考える


建物の用途や内容から、規模やデザイン・予算が決まったら、構造設計の中で最も重要な構造計画を考えます。
初期に検討する構造の種類や柱などの位置選定は、意匠設計者が行うのが一般的です。

そして建物の基礎である骨組みを決めるため、骨組みの形や材料・荷重などを考慮します。
実際に行う作業は、構造体をモデル化した「略状図」や計算に必要な「仮定断面」を作成します。




2-2. 骨組みにかかる力を計算する


次に、骨組みにかかる力を計算します。
床や壁の仕上げの種類や厚さを考慮して、1㎡当たりの固定荷重の計算が必要です。

さらに、地域性を念入りに調査し、地震や台風・積雪による荷重を想定して計算します。
計算にあたり、荷重の設定が適切でないと後の構造計算に影響するので慎重に行う必要があります。




2-3. 一時的にかかる力の計算や二次部材の設計を行う


次は地震や風の力・衝撃など一時的にかかる荷重に対する計算です。
計算する対象によっては簡単な計算式で求められますが、建築物は規模が大きく計算が複雑なため、基本的に専用の計算ソフトを使います。

その後、算定した設計荷重を用いて二次部材の設計に移ります。
二次部材とは、建築物に使用する補助的な鉄骨のことです。
主要な鉄骨よりサイズは小さいですが、工事の様子に合わせて追加されることが多いため、かなりの数を使用するのが特徴です。




2-4. 材料の強度に応じた骨組みの大きさを決める




最後に、材料の強度に応じた骨組みの大きさを決めて、構造設計図にまとめます。
建築基準法によって定められている材料の強度を考慮することで、骨組みの大きさの検討が可能です。

また、建物の柱などが荷重によって大きな変形が起こらないかどうか、計算で確認します。


PulsMeでは、許容応力度計算を使用。

許容応力度計算とは、建物が地震の力にどれほど耐えられるかを計る構造計算方法のこと。
一般的に採用されている簡易な壁量計算では、壁の面積のみを基準に耐震性を判断しますが、許容応力度計算では建物にかかる力が部材の持つ柔軟性や強さ、許容できる力に収まるか計算をして判断します。
地震のように短時間で繰り返し力がかかる場合は、柔軟性による吸収度や材料の耐久性、疲労特性を考慮することが特に重要です。

また、建物にかかる横からの力だけでなく、上からの荷重の影響も計算するた め、総合的な判断が可能になります。


作業の結果が揃ったら、構造設計図にまとめて構造設計が完了です。






3. 耐震構造のデメリットとは?



次に、耐震構造のデメリットについて解説します。




3-1. 繰り返しの揺れに弱い


耐震構造は繰り返しの揺れに弱いのがデメリットです。

建物部分が頑丈に建築されるため、倒壊を防ぐことができる反面、地震によるダメージがダイレクトに蓄積されていきます。
従って、ダメージが建物に蓄積すると、ひびや劣化が早まるのがリスクです。
耐震等級が3であれば、繰り返しの揺れに耐えられる傾向にありますが、等級が3以下の劣化した建物は倒壊する危険性があります。




3-2. 家具の転倒防止は期待できない


耐震構造であっても、揺れを抑制する効果はないため家具の転倒防止は期待できません。
そのため、家具の転倒による二次災害に注意が必要です。

例えば、家具の下敷きになる危険性や火災を引き起こす可能性があります。
大型の家具や二次災害が予想される家電などは、予め壁や床に固定するなど、自身で転倒防止対策を施すようにしましょう。




3-3. 揺れを感じやすい


耐震構造は建物を頑丈にすることで倒壊を防ぐことが目的です。
そのため、頑丈な建物に地震のダメージが直接伝わることで揺れを感じやすいです。

さらに、建物が頑丈なため、揺れを吸収する・逃すなどの揺れを抑制する効果も期待できません。
地震による建物への損傷や倒壊に心配は少ないものの、大きな揺れで転倒したり、家具の下敷きにならないよう周囲が必要ですね。






4. 耐震構造のメリットとは?



次に、耐震構造のメリットについて解説します。




4-1. コストがかかりにくい


耐震構造は、他の地震への対策構造と比べてコストがかかりにくいのがメリットです。
部分的に耐震構造を取り入れることが可能で、後からでも耐震性を高めることができます。
さらに、今後は新しい耐震基準に従って建築されるため、全ての家が最低でも耐震等級1レベルの耐震性を備えます。

そのため、耐震性能は比較的コストをかけずに向上できるのが魅力です。




4-2. 立地による影響が少ない


耐震構造で家を建てる場合、立地や地盤の影響が少ないです。
広い土地や地下室が必要な免震構造とは異なり、建物自体に耐震性能が備わっているので、建てる場所に悩みません。
さらに、地下室は必要に応じて設置することが可能で、設計の自由度を確保できます。

そのため、耐震構造を備えたデザイン性の高い家にするなど、こだわりを発揮しやすいですね。




4-3. 業者選びに苦戦しない


地震が多い日本では、建築物に耐震構造を備えるのが一般的です。
そのため、一般的な建築手法で対応が可能で、業者選びに苦戦することはほとんどありません。

しかし、免震構造を希望する場合は施工できる業者が限られるため注意しましょう。






5. PlusMe は、独自の木造軸組パネル併用構法で耐震等級3 を実現しました






耐震等級とは、地震に対する建物の強さを表す指標。
建物の耐震性に応じて 3 つのランクに分けられており、数字が大きければ大きいほど耐震性が高くなります。

PlusMe は、独自の木造軸組パネル併用構法で耐震等級3 を実現しています。
最高ランクである等級3 は、1 と比較して1.5 倍の耐震性を有しています。
震度7 の地震にも耐えて倒壊しないだけでなく、機微な修繕で生活を再開できるとされています。






6. まとめ



構造設計の工程の一つが構造計画です。

構造計画では、建物に使用する構造の種類や柱などの位置選定・荷重の計算などを行います。
そのため、耐震構造の性能を高めるためには、構造計画が重要な役割を担っています。
地震に強い住宅を建てる際は、耐震等級とあわせて構造計画を重視しましょう。

また、地震対策を行うにあたり、耐震構造は比較的取り入れやすいです。
地震による建物の倒壊や、二次災害が起こる可能性が少ない家づくりを目指しましょう。



SOUSEIでは、お客様に合わせて暮らしのご提案をさせていただきます。

「まずは話だけでも聞いてみたい!」「リフォームやリノベーション」、「注文住宅」などのお家に関する相談をしたい!という方はぜひ気軽にお問い合わせ・資料請求ください。